コンセプト

商業建築には明確な目的があります。経済活動を行い適正な利益を生み出す場であるという条件を満たさなければなりません。際限なく費用を使うこともできませんし、一方では魅力のある、楽しさを感じさせる空間である必要があります。
生産部分、それを支えるバックヤード部分。それぞれを明確に切り分けるてとらえることも、そのビジネスの成功にとって必要となってくるかもしれません。
一般住宅を設計する際にも大切にしていることですが、まずはお客様の希望を全て伝えていただきたい。そのお話をもとにプロとしての経験を加え、お客様のビジネスの更なる発展に寄与できること。それが私ども木心工建の願いです。

あまのや 藤村昆布海産有限会社

時津町に建つあまのやは、店舗・事務所・工場・倉庫からなる。店舗部分は昆布を中心とした厳選された和食食材を取り揃えており、商品に見合った建物が要求された。大きな梁がむき出しになった高い天井部分は、古い日本建築をイメージしたもの。壁には藁を混ぜ込んだ材料を用いている。商品を陳列する台や、店舗入り口の建具等は全て職人の手作り。切りっぱなしの巨大な丸太や、流木を用いて作られたこれらの設備は建築家が特にこだわったところ。

事務所内のみならず、建物全体にLAN回線を設けたところも将来の需要を見越してのこと。二階部分は完全に倉庫として使うため、可能な限りのコスト削減を行った。

古き良き日本を感じられるこだわりの店舗部分。使いやすさとコストを考えたバックヤード。めりはりをつけた資金投下も商業建築を行う場合には必要であり、木心工建にはそれを行う豊富な経験がある。

建築物詳細

竣工
2006年4月
構造(工法)
木造(在来工法)
建築面積
198.50?
建築家
直野壮一朗(木心工建)
施工会社
木心工建

特長・こだわり

店舗
こだわりの和食食材を揃え、お客様をお迎えする店舗部分は細部にこだわった純和風作り。大きな梁が見える意匠はもちろん、特製の商品展示台、入り口の扉にいたるまで職人の手作り。二つと同じものはないオリジナリティーと、全てを一括して作成したことによる統一感は既製品には出せない強みである。
バックヤード
衛生的かつ高能率を求められるバックヤード部分は、段差や柱のない大空間を意識した設計がなされている。店舗部分とは異なり、コストを抑える工夫も商業建築には必要であり、この建物も例外ではない。衛生基準のクリア、店舗や事務所との連携など、最も難しいのはこの部分の設計かもしれない。